ドイツの大晦日/Silvester/ジルヴェスターは、家庭内で、または、友人・知人などが集まって、飲んで食べて、ゲームやダンスに興じ、新年を迎えると同時に外へ出て爆竹を鳴らしたり花火を上げ、大変賑やかに過ごします。また大晦日コンサートへ出かける人も多いですし、レストランやバーなどでも年越しパーティーが盛んに企画されています。ベルリンは特に賑やかに大晦日/新年をお祝いする街で、ブランデンブルク門周辺では市が企画する大掛かりなカウントダウンパーティーが開催され、ステージでは有名シンガーやバンドのライブも楽しめ、カウントダウン直後に美しい花火が大量に打ち上げられ、観光客もベルリンっ子たちと一緒になって新年を迎えることができます。
ドイツのこの大晦日のお祝いは100年ほどの歴史があり、音を立ててböse
Geister/ボェーゼ・ガイスター/邪気を追い払うという意味で、昔は食器を叩いたり教会の鐘の値を鳴らすなどしていましたが、今日では花火を上げたり爆竹を鳴らしたりしてお祝いするようになったのだそうです。
ですがドイツでは一般には、アイスクリームに挿して楽しむようなパーティー花火など「クラッセI」のランク付けを受けている花火以外は、年間を通して販売も使用も禁止されており、家庭用のロケット花火や打ち上げ花火などは、毎年、29日から31日までの3日間だけ期間限定で販売が許されます。また、新年を迎える決まった時間帯にのみその使用が認められています。(特例として、28日が木・金・土曜のどれかに当てはまる年は、28日からの販売が許可されます)
一般に出回る花火は一般的に、安全規制に合格したものですが、一部に安価で無認可の花火も出回り、それらの花火は爆破性が強く大変危険です。
以下のことがらに注意し、楽しい大晦日をお過ごしください。
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ドイツでは一般に購入できる花火類をクラス分けし、その使用を制限しています。 | |
家庭で楽しむ花火 |
一般に販売される花火は、爆破物の検査・管理をする機関BAMによって検査され、カテゴリ分けがなされています。この表記のないものは外国からの粗悪品や爆破性の高い危険な花火である可能性が高いので購入前に確認しましょう。
クラス1(Klasse I/BAMの認可済み商品には「P I」と表示されている)
この花火の規格は、アイスクリームにつける花火など、鉛の使用されていない、1m内で音量120 dB(AI)以内のもので、危険性が低いことから年中いつでも購入でき、いつ使用してもかまいません。
クラス2(Klasse II/BAMの認可済み商品には「P II」と表示されている)
この花火の規格は、8m内での音量が 120 dB(AI)以内のもので、音量もあり、使い方によっては危険が伴うため、以下のような規定があります。
ドイツの一般店舗やスーパーマーケット、ガソリンスタンド等で販売されている花火類はBundesanstalt fuer Materialforschung und -Prufung (BAM)の認可が下りているので心配がありませんが、その他の場所では無認可無許可の商品が出回っているので注意が必要です。
また、このクラスの花火は18歳以上でなければ買えません。
クラス3(Klasse III)
中規模クラス本格花火。一般には販売されず、許可を持った専門家しか取り扱えません。
クラス4(Klasse IV)
大規模クラス本格花火。一般には販売されず、許可を持った専門家しか取り扱えません。
Klasse I の例 アイスクリームに突き刺さっていたりするパーティー花火。典型的なクラス1。 |
市販されている花火セット |
Klasse II の例 吹きだし(ドラゴン)花火。この他に打ち上げ花火や爆竹などもこの類に属す。 |
花火は正しく使用すれば美しく、個々が楽しめる道具ですが、注意を怠ると怪我が負いやすく、また、生涯を通して負わなければならないような大怪我をする場合もあります。
一番起こりやすい怪我は、聴覚への障害だとのことです。爆竹やロケット花火を扱う際は特にご注意ください。また、手や顔面に怪我を負う事故も毎年必ず発生しています。
以下にKlasse IIのカテゴリに入る花火の注意点をまとめています。事故防止のため、ぜひご一読ください。
・・・・・ Klasse II に関する一般事情と注意事項 ・・・・・
《 花火の販売期間 》
12月29日から12月31日の店舗開店時間内のみ。
(特例:28日が木・金・土曜のどれかに当てはまる年は、28日からの販売可)
《 花火の販売対象と使用対象 》
未成年への販売は禁止されています。18歳以上にのみ販売が許可され、18歳以上の人のみが使用します。
《 花火の使用期間 》
・ Klasse I/BAM認可「P I」・・・いつでも使用可能
・ Klasse II/BAM認可「P II」・・・12月31日~翌1月1日まで。
( この規則に反した場合、最高10000ユーロまでの罰金が課せられます)
《 花火の使用場所 》
教会、病院、キンダーハイム及び老人ホームなどの施設周辺は使用禁止です。
《 注意事項 》
- 花火による怪我は、使用方法の間違いだけでなく、通常の流通経路を通さずドイツに運ばれた闇商品(特にポーランドやチェコからの流入が多い)によるものの場合が多々あります。花火は販売認可の下りている店舗で、商品に認可マークが付いているかを確認の上、ご購入ください。
- 特にポーレン・ボェラー/Polenböllerと呼ばれる花火は爆破性が強く、指を失うなどの事故が発生していますので購入しないよう気をつけましょう。
- お子さんの過失は両親の責任へと向けられます。花火は使用するまでは、お子さんの手の届かないところに保管しましょう。
- 住宅街で花火を楽しむ場合、ベランダで花火を点けている人の飛まつが落ちてくる場合がありますので注意しましょう。
- ロケット花火を使う家庭が多くあり、ベランダに入り込み火事が発生することがあります。ベランダに燃えやすいものが置かれていないか注意しましょう。また、花火が窓から入り込まないように注意しましょう。
- 花火の取り扱い説明書を必ず読み、地面に置いて着火する花火は、腕を出来るだけ伸ばして身体を花火から遠ざけて着火し、芯に火が移ったら速やかに花火から離れましょう。手に持ったままの着火は大変危険ですから絶対にやめましょう。また、発火しなかった花火の様子を見るために近寄ったり、覗き込むのは大変危険ですから止めましょう。
- ロケット花火のように空き瓶などに挿して着火するタイプのものは、空き瓶1本を立てたままの状態ではロケットの勢いでビンが倒れ、思いもしない方向に花火が飛び事故が起こることがあるので、ビンケースを地面に置き、ケースの真ん中に空きビンをおいて使用することをお勧めします(ベルリン消防署からのアドバイス)。
- 大晦日の夕方以降は爆竹の音もかなり激しく鳴り響きます。ペットを飼っていて大晦日に外出予定の場合は、留守中にペットが怯えないよう工夫してあげましょう。
- 花火による火災や傷害などは、その使用法や原因によっては保険の対象外となります。ご注意ください。
- 買った花火は必ず決められた時間内に使い切りましょう。残った花火を保管しておくことは大変危険であり、法律でも固く禁じられています。
!! 認可の下りていない花火の購入は危険ですので絶対に避けましょう !!
!! 花火を使用するときは、必ず水を張ったバケツをそばに置いておきましょう !!
大晦日には毎年、花火による火災が発生しています。大切な住まいを守るために以下の事柄を注意しましょう。
・・・・・ 家屋を火災から守るためのポイント ・・・・・
火災が発生した際の通報は電話番号112番です。
警察110番と消防署112番は、コインがなくても公衆電話から通報できます。
警察110番と消防署112番は、残高のないプリペイド携帯電話からでも掛けられます。
通報に関する情報は前もって左のナビの「SOS緊急通報概要」をご参照ください。
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