ローゼンターラー・シュトラーセ39番地(RosenthalerStr. 39)。今、若い人々で溢れかえる一番ホットな地区、ハッケッシャー・マークト。中でも最も有名な建物、ハッケッシャー・ホーフのすぐ右隣に、ひっそりと小さな入り口があります。そこに垣間見る風景は、朽ちかけていて、薄暗く、決して美しいといえるものではなく、オシャレなスポットを楽しむために来られた方は、そこに足を踏み入れることに躊躇されるかもしれません。


ローゼンターラー・シュトラーセ39番地


作業所の入り口へ続く中庭

 そんな入り口の向こうに昔、盲目のユダヤ人のための作業所がありました。経営者の名をオットー・ヴァイトといいます。

 第2次世界大戦の真っ只中、ユダヤ人が迫害に遭い、強制収容所へと送られていった日々、ドイツ人である彼は従業員をはじめ多くのユダヤ人たちを作業所の一室に設えた隠し部屋にかくまい、その命を助けました。

 ベルリンのシンドラーとも言える彼の功績は、生き残ったユダヤ人たちによって書籍には記されていましたが、その作業所の場所や当時の様子などは最近になるまで明らかにされていませんでした。


入り口足元にある記念碑

 

 小さな小さな作業所です。隠し部屋も残っています。

どうか一度訪ねてみてください。

 

オットー・ヴァイトと作業所の人々


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